能楽夜ばなしⅡ 9月9日更新 九皐会 景清告知その1


公演案内ページを作りました。私の関係する公演ですが、全てはありません。
公演終了後に、感想などコメントしますが、私の他、いただいたコメントも含め、数日程度でどんどん削除更新する予定です。アーカイブに一部移動しておきます。どうぞ悪しからずご了承下さいませ。
なお、チケット申込は、主催者に直接問い合わせ下さいませ。宜しくお願い申し上げます。
過去記事アーカイブ、他の記事は、一番上の←から入って下さい。



9月8日
九皐会定例公演も無事終わりました。
今回は鈴木君シテの龍田の地謡に入りまして、地頭の弘田先輩の横で息を揃えました。
能の地謡は、西洋のコーラスとは違い、楽譜や音調が正確に決まっているわけでないので、即興音楽に近い側面があります。もちろん謡本もあり節もきちんとあり、こう歌うという伝承のベースがありますが、微妙な調子やテンポはその日その時のシテや囃子の調子や気合いや雰囲気で微妙に動きますし、地謡陣もそれぞれ個人の喉に個性があり、メンバーも年齢も質感も違うので、それが混ざり合って、うまく響き合うと厚い層になって面白く聞こえます。
その日の地頭に皆が調子を揃えますので、メンバーが変わるとまた違う感じになるのも面白いところです。
能の地謡は近くで聞くと意外と各個の個性があるのですが、客席に離れると、まとまって聴こえたり、客席の座る位置や、能楽堂によっても響きが違います。矢来能楽堂は客席が近く劇場としては今や広くない古風な舞台で、音響は良い方かと思います。

いずれにせよ毎回一期一会の地謡なので、集中して生声の力強い響きが心地よくお届けできればと思って謡っています。昨日は昨日で精一杯勤めさせていただきました。

シテは小姫という面だそうで、前シテは縫箔を下に、上は白綾の小袖を着て、冬のイメージと神聖な佇まい。後は煌びやかな天冠と舞装束で眼を奪われたお客様も多かったのではないかと思います。女神を扱った曲で、人間ドラマとは違う美しい趣きの曲でした。





告知 景清 その1
九皐会の定例公演では、私は11月10日(日曜日)の「景清」シテ
景清を勤めます。
矢来能楽堂定期公演1部にて
大曲「かげきよ 景清」上演致します。源平屋島合戦の花、那須与一の扇の的の後の、しころ引きの戦いで有名な景清。
源氏を恐れさせ、頼朝暗殺をも企てた反骨の武者。最後は自ら目をえぐり、遂に九州へ流され余生を送るが、そこへ一人娘が尋ねてくる。光を失った非情な父と娘の再会と別れの物語。
盲目の父が語る源平合戦の武勇の記憶。


なんといっても謡いの景清。景清の最初の独白は、塚の中にいて姿は見えず、演者としては特殊で難しい節回しの謡いで、それがなんとも良い具合で今の景清の有様を表現しています。
その独白が聴こえて来る場面からシテの出が始まります。これががもうまさに景清!

現代劇のような台本の進行はわかりやすく、娘との涙の再会(それもすんなりとはいかない)や、やがて源平合戦の戦いの記憶を語り出す場面は、芝居のようでもあり、しかし、やはり能ならではの世界観が観客を惹きつけます。
目も見えず、杖をつき、老い衰えた景清ですが、語り乍かつての力や光が、ひととき蘇るような舞台に広がる屋島の戦いの名場面。
語り物と言われる、謡いの聞かせどころ。

夢幻能とは違う現在能の面白さ、魅力の詰まった能。

是非、舞台を聴きに、そして観に来ていただければと思います。ご来場お待ちしております。


観世流九番習の一つに数えられる現在能の名曲。いよいよ最高難度の演目に挑戦です。観世先生をはじめ、父や諸先輩の名演の娘役を何度もさせていただきましたが、いよいよ自分が景清を演じる年になるとは感慨深いです。

私にとっては勿論本邦初演の舞台となります。


是非、登録有形文化財の神楽坂、矢来能楽堂でご覧いただければと思います。

ご来場お待ちしております。

(チケットは九皐会ホームページからカンフェティチケットでお求めください)


また詳しくキャストや関連情報upしますね。春に屋島にも行ってきたので、その写真もお楽しみに。






このブログの人気の投稿

秋田道草いいところ

能楽記事アーカイブ