アーカイブページです。過去記事はこちらからどうぞ。 九月 観世九皐会九月定例公演にご来場賜りまして、誠にありがとうございました。 お陰様で、班女の舞台も終了しました。 お客様並びに関係者の皆様もありがとうございました。 班女は、演じ方に幅がある曲だと、前にblogに書きましたが、少ししっとりとした感じになったかと思います。 囃子方地謡が、ガッチリ纏めて下さいまして80分超えの舞台となりました。 昨日はなんといっても、素晴らしい装束をお貸しいただけましたので、大変感激して勤めさせていただきました。 昨日の唐織は、観世喜正師匠と正田夏子先生の「 演目別にみるの能装束Ⅱ 」淡交社出版の 写真参考書籍に載せられた紅白段替流水扇秋草唐織という銘品で、近年は滅多に実際の舞台に出ない古いお装束でした。古い物は今の人が着れない小さいものが多いのですが、矢来一小柄な私でも、袖や身幅が少し短いほどの物。近くで見ると古びた佇まいなのですが、舞台に出ると柄が浮き上がる素晴らしい物でした。 生涯一度は着てみたい装束のひとつに思っていまして、 かれこれ40年もの間、装束干の折に拝見しては、いつか着る日が来たらいいなと思っていました。 (とっても気の長い話ですけど、能の面、装束は、それをつけるのは生涯一度なんてことは、ごく普通にあるのです。)それ位昔から皆に大事にされてきたお装束のひとつです。 昨日は、このお装束に助けてもらいました。感謝でした。 というわけで、昨日はお客様にとっても、なかなかない一期一会の機会になって良かったのではないかと思います。ありがとうございました。 九月 新学期が始まり、学校公演も始まりまりました。 私のお弟子さん社中の浴衣会も真夏を避けて昨日矢来能楽堂で行いまして、良い納涼になりました。 いよいよ芸術の秋スタート。 今週末は、九皐会定例会で名曲のハンジョを務めます。 演じ方に幅のある演目で、 狂女物でありながら、三番目物の優美さも取り込んだ作品。 さて今回はどうなるか。乞うご期待。 追記 この曲のタイトル、班女(はんじょ)は、前漢時代の成帝の側室、 班婕妤(はんしょうよ)のことだという。 皇帝の寵愛を受けたが、やがて、後から来た趙飛燕に皇帝の心は移り、後宮を去った。寵愛を失った身を、秋の扇になぞらえ「怨歌行」の詩を作ったと伝えられる。 この曲のシテ、遊女、花子は、曲中...